牛肉は部位ごとに味や食感、脂の量が異なり、適した調理法も変わります。本記事では、基本の部位から希少部位、さらにはホルモンの種類まで詳しく解説し、それぞれに最適な調理方法や代表的な料理も紹介します。

日本の牛肉は「歩留等級」と「肉質等級」の2つの基準で格付けされます。

1. 歩留等級(A・B・C)

  • A等級:可食部が多く、肉の取れる割合が高い
  • B等級:標準的な歩留まり
  • C等級:可食部が少なめ

2. 肉質等級(1~5等級)

  • 5等級:最高品質の霜降りで、肉質が極めて優れている
  • 4等級:優れた霜降りと柔らかさを持つ
  • 3等級:標準的な肉質
  • 2等級:やや硬めの肉質
  • 1等級:霜降りが少なく、硬めの肉質

この等級によって、和牛の品質が決まり、A5等級の牛肉は最高級品として知られています。

1. 肩(ウデ)

  • 特徴:赤身が多く、適度な脂肪を含む
  • 脂の量:少なめ
  • 適した調理法:煮込み、焼き肉、ステーキ
  • 代表料理:ビーフシチュー、焼肉

2. 肩ロース

  • 特徴:赤身と脂のバランスが良く、適度な柔らかさ
  • 脂の量:中程度
  • 適した調理法:ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ
  • 代表料理:すき焼き、焼肉、ローストビーフ

3. リブロース

  • 特徴:肉質が柔らかく、旨味が濃厚
  • 脂の量:多め
  • 適した調理法:ステーキ、ローストビーフ
  • 代表料理:サーロインステーキ、ローストビーフ

4. サーロイン

  • 特徴:柔らかく、適度な霜降り
  • 脂の量:多め
  • 適した調理法:ステーキ、しゃぶしゃぶ
  • 代表料理:サーロインステーキ

5. ヒレ(フィレ)

  • 特徴:非常に柔らかく、脂肪が少ない
  • 脂の量:少なめ
  • 適した調理法:ステーキ、カツレツ
  • 代表料理:ヒレステーキ、ビーフカツ

6. ランプ

  • 特徴:赤身が強く、あっさりした味わい
  • 脂の量:少なめ
  • 適した調理法:ステーキ、焼肉
  • 代表料理:ランプステーキ、ローストビーフ

7. モモ

  • 特徴:赤身が多く、しっかりとした肉質
  • 脂の量:少なめ
  • 適した調理法:煮込み、焼き肉、ステーキ
  • 代表料理:ローストビーフ、しゃぶしゃぶ

8. バラ(カルビ)

  • 特徴:脂肪が多く、濃厚な味わい
  • 脂の量:多め
  • 適した調理法:焼肉、煮込み
  • 代表料理:焼肉(カルビ)、牛丼

9. すね

  • 特徴:筋が多く、長時間煮込むことで柔らかくなる
  • 脂の量:少なめ
  • 適した調理法:煮込み、スープ
  • 代表料理:ビーフシチュー、おでん

10. シンタマ

  • 特徴:モモ肉の一部で、肉質がきめ細かく柔らかい
  • 脂の量:少なめ
  • 適した調理法:ステーキ、ローストビーフ
  • 代表料理:シンタマステーキ、ローストビーフ

11. らんいち(ランイチ)

  • 特徴:ランプとイチボの中間的な部位で、適度な柔らかさと旨味がある
  • 脂の量:中程度
  • 適した調理法:ステーキ、焼肉
  • 代表料理:らんいちステーキ、焼肉

12. ほほ(ホホ肉)

  • 特徴:よく動かす部位で旨味が濃厚
  • 脂の量:少なめ
  • 適した調理法:煮込み、ステーキ
  • 代表料理:牛ほほ肉の赤ワイン煮

13. タン(舌)

  • 特徴:弾力があり、適度な脂肪を含む
  • 脂の量:中程度
  • 適した調理法:焼肉、シチュー
  • 代表料理:牛タン焼き、タンシチュー

14. ネック

  • 特徴:筋が多く、長時間煮込むと柔らかくなる
  • 脂の量:少なめ
  • 適した調理法:煮込み、スープ
  • 代表料理:ポトフ、牛ネックスープ

15. テール

  • 特徴:コラーゲンが豊富でゼラチン質
  • 脂の量:中程度
  • 適した調理法:スープ、煮込み
  • 代表料理:テールスープ、テールシチュー

1. ミスジ

  • 特徴:肩部分の霜降りが美しい柔らかい肉
  • 脂の量:多め
  • 適した調理法:焼肉、ステーキ
  • 代表料理:焼肉(ミスジ)、ステーキ

2. イチボ

  • 特徴:モモ肉の一部で、赤身がしっかりしている
  • 脂の量:中程度
  • 適した調理法:ステーキ、焼肉
  • 代表料理:イチボステーキ、焼肉

3. ザブトン

  • 特徴:肩ロースの一部で、霜降りが豊富
  • 脂の量:多め
  • 適した調理法:焼肉、すき焼き
  • 代表料理:焼肉(ザブトン)、すき焼き

4. シンシン

  • 特徴:モモ肉の一部で、柔らかく旨味が濃い
  • 脂の量:少なめ
  • 適した調理法:ステーキ、ローストビーフ
  • 代表料理:シンシンステーキ、ローストビーフ

1. レバー(肝臓)

  • 特徴:鉄分が多く、独特の風味
  • 脂の量:少なめ
  • 適した調理法:焼き物、炒め物
  • 代表料理:レバニラ炒め、焼肉(レバー)

2. ハツ(心臓)

  • 特徴:歯ごたえがあり、脂が少ない
  • 脂の量:少なめ
  • 適した調理法:焼肉、炒め物
  • 代表料理:焼肉(ハツ)、ハツ刺し

3. シマチョウ(大腸)

  • 特徴:脂が多く、濃厚な味わい
  • 脂の量:多め
  • 適した調理法:焼肉、煮込み
  • 代表料理:ホルモン焼き、もつ鍋

4. ミノ(第一胃)

  • 特徴:コリコリした食感
  • 脂の量:少なめ
  • 適した調理法:焼肉、煮込み
  • 代表料理:焼肉(ミノ)、ホルモン鍋

5. ハチノス(第二胃)

  • 特徴:柔らかくクセが少ない
  • 脂の量:少なめ
  • 適した調理法:煮込み、スープ
  • 代表料理:トリッパ(イタリア風煮込み)、もつ鍋

6. センマイ(第三胃)

  • 特徴:独特の食感がある
  • 脂の量:少なめ
  • 適した調理法:湯引き、酢の物
  • 代表料理:センマイ刺し、焼肉

牛肉は部位ごとに特徴があり、それぞれ適した調理法があります。希少部位やホルモンも含めて、さまざまな料理を楽しむことで、牛肉の美味しさを最大限に引き出せます。ぜひ、いろいろな部位を試して、お気に入りの牛肉料理を見つけてください!